セラピストはラポール形成が鍵!信頼関係を築く5つのテクニック
最終更新日 : 2024/03/01 | 投稿日 : 2024/01/17
セラピストとにとって、クライアントとの信頼関係はセッションによる変化を左右する重要な要素です。
信頼関係が築けていないと、クライアントはセラピストに心を開いて本音を話すことができません。
とはいえ、セラピストを始めたばかりの方にとっては
「信頼関係ってどう築けばいいの?」
「何かテクニックが必要なの?」
と、さまざまな疑問が浮かんできますよね。
セラピストがクライアントと信頼関係を築くための手段のひとつとして「ラポール形成」があります。
そこで、今日はラポールについて詳しく学んでいきましょう。
セラピストを目指したい!スピリチュアルの仕事に活かしたい!という方は、ぜひ参考にしてみてくださいねっ!
Contents
ラポールとは
はじめに、ラポールとは何かを解説します。
ラポールとは、人と人の心が通い合って強い信頼関係で結ばれている状態のことを意味します。
たとえば、
という状態です。
ラポールは、どちらか一方ではなく、双方が同じ状態であってはじめて形成されたといえます。
あなたの周りにも、初対面の人とすぐ仲良くなって良好な関係を築くことが上手な方っていませんか?
そういった方は、単純にコミュニケーション能力が優れているだけではなく「ラポール形成」が上手いという特徴があるでしょう。
もちろんそうした方は、ラポールを築こうと意識せず自然にできている方が多いかもしれません。
ただ、人と接するお仕事をされている方にとっては、ラポール形成を意識的に実践してみて損はないといえます。
次の章で詳しく見ていきましょう。
セラピストがラポールを築く重要性
人と接するお仕事は、世の中にたくさんありますよね。
今回のテーマは「セラピスト」に絞ってお話しているため、セラピストがラポールを築く重要性を3つお話しします。
クライアントとの信頼関係が深まる
まず、クライアントとの信頼関係が深まります。
セラピーの場面では、初対面の方へのセッションも多いものです。
クライアントによっては「自分の話を聞いてもらえるのか?」「怒られたらどうしよう」と不安な気持ちになる方もいらっしゃるでしょう。
ラポールを築くことができれば、お互いの気持ちや視点を理解しやすくなって、クライアントのサポートがしやすくなります。
本音を引き出しやすくなる
続いて、本音を引き出しやすくなるという点です。
心理療法やカウンセリングなどの場面では、ラポールの形成がその後の変化を左右するといっても過言ではありません。
お互いに信頼していれば安心感を持って接することができるようになり、自己開示しやすくなるでしょう。
「この人なら、私が何を話しても受け止めてくれる!」
「私のことわかってくれてるな。居心地いいな」
本音で話せるくらい心地よい関係性っていいですよね。セラピーの効果は、確実に高まるはずです。
相手に意見を聞き入れてもらいやすくなる
相手に意見を聞き入れてもらいやすくなる点も、セラピストがラポールを築く重要性のひとつです。
クライアントとの信頼関係ができていると、セラピストの意見を聞き入れてもらいやすくなります。
私たちは「信頼している人が言うんだったらやってみよう!」という気持ちになるのは自然なことでしょう。相手の意見に対して受け入れる体勢ができていれば、伝えたいことが伝わりやすくなります。
このように、心理療法やカウンセリングなどの場面では、ラポールの形成が重要な役割を果たしているのです。
セラピストとしてラポールを築く際に重要な考え方
セラピストがクライアントとラポールを築く際に、これだけは欠かしてはいけない!という重要な考え方があります。それは、次の2点です。
- ①相手の世界観を尊重すること
- ②類似性の法則を意識すること
相手の世界観を尊重すること
絶対条件として、相手の世界観を尊重しましょう。決して相手を否定したり、非難したりしてはいけません。
ネガティブな言葉や態度で接してしまうと、クライアントは本音で話しづらくなり、信頼してもらうことが難しくなります。
さらに「この人と話したくない」「他のセラピストのところに行こう」と、今後の活動にも影響が出てしまいます。
否定や非難をせず、クライアントの言葉や気持ちを尊重することが重要です。
尊重するとは、相手の言葉に同意するということではありません。
たとえ自分の考えと違っても、まずは相手の言っていることを理解しようとする姿勢に徹しましょう!
類似性の法則を意識すること
類似性の法則を意識することもラポールを築くうえで大事な考え方です。
ここで「類似性の法則ってなに?」となりましたよね?
類似性の法則とは、中身や外見が似ていたり何かしらの共通点があることで親近感を抱きやすくなるという心理効果のこと。
たとえば、出身地が同じとか、思考が似ているとか、そうした共通点があることで「あなたと仲良くなれそう!」と興味を持ちやすくなるあの感じです。
セラピーの場面では、クライアントの話し方や言葉のチョイスに合わせてセッションを進めていくと、その後の信頼関係が築きやすくなるでしょう。
セラピストがラポールを築く際に活用できる5つのテクニック
それでは、セラピストがラポールを築く際に活用できるテクニックを5つご紹介します。
- ①ミラーリング
- ②ペーシング
- ③マッチング
- ④バックトラッキング
- ⑤キャリブレーション
ミラーリング
ひとつ目にご紹介するのは、「ミラーリング」です。
ミラーリングとは、相手のしぐさや言動を真似るテクニックのこと。
たとえば、セラピーの場面では次のようなことができます。
- ・相手の表情に合わせて同じような雰囲気をつくる
- ・相手の身振り手振りに合わせて、同じようなジェスチャーをとる
相手の動きに合わせて似たような行動をとることで、無意識に「私たちは似ている存在だ」と親近感を抱いてもらいやすくなります。
ペーシング
ペーシングは、言葉のとおり相手のペースに合わせることです。
ここでいう相手のペースとは、話すスピードや仕草、表情といったところが挙げられます。
ペーシングの目的は、安心できる空間を作ること。相手の雰囲気に合わせて話を聞く、質問をするといったコミュニケーションをとることで、「自分の話をちゃんと聞いてくれている」という安心感につながっていきます。
わかりやすい例でいえば「相槌」です。
相手の呼吸するタイミングに合わせて、「うんうん」「そうなんですね」「それは〇〇ですね」という自然な相槌を打つようにしましょう。
私の経験ですが「話すと安心するな」という方の共通点として、やはり相槌が上手だなぁという印象があります。話をしている途中では遮らず、こちらの呼吸に合わせて絶妙な相槌をしてくれる…そのような方には、普段話し下手な私でも「この方ならなんでも話せる!」となりました。
ペーシングの重要性を身をもって感じています。
マッチング
マッチングは、相手が話す声のトーンやボリューム、リズム感を合わせることです。
ペーシングと似ている部分ではありますが、マッチングでは「声」に意識を向けます。
たとえば、クライアントが静かにゆっくりと話している場合、セラピスト側も同じようなテンポで話します。相手の話し方に合わせることで心地よい空間が生まれ、安心感や信頼感を作りやすくなるでしょう。
バックトラッキング
バックトラッキングも、ラポール形成で活用できるテクニックの一つです。
バックトラッキングとは、オウム返しのこと。
たとえば「最近、〇〇に悩んでいるんです」と相談されたら「〇〇に悩まれているんですね。具体的にどういったときにつらいですか?」と、同じような言葉を返してあげます。
気をつけたいのは、そっくりそのまま真似をするのではなく、あくまで自然な会話になっているかどうかです。
同じことを繰り返しているだけでは会話が不自然になってしまい、相手に違和感を抱かせかねません。
本当に言いたいことは何か、キーワードは何かを読み取って返すことを意識してみてくださいね。
キャリブレーション
続いては、キャリブレーションです。
キャリブレーションとは、相手をしっかり観察して心理状態を理解することです。
何を観察するかというと、相手の表情やしぐさ、行動パターンや目の動きといった細かなところまで含まれます。
言葉だけから相手の心理状態を見極めるのはとてもハードルが高いもの。その人が発するわずかなサインから、相手の気持ちや心の状態を感じ取ることができます。
たとえば、言葉では「分かりました!」と発言していても、そわそわしていたりうつむいていたりすると、「まだ自分自身で納得できていない…」という心の現れかもしれません。
コミュニケーションは、言葉だけではないことが分かりますね。初対面の相手に対しては難しいかもしれませんが、何度も会うことで気づきやすくなってきますよ。
セラピストがラポールを築く際に気を付けるべきこと
ここまで、ラポール形成のテクニックをいくつかご紹介してきましたが、ひとつだけ理解しておかなければならない点があります。
それは、ラポールはあくまで信頼関係を築くための手段のひとつに過ぎないということです。
テクニックを極めれば信頼関係を築きやすくなりますし、接客をお仕事にしている方にとっては顧客獲得にもつながるかもしれません。
しかし、テクニックを極めることばかりに執着しすぎると、目の前のお客さまを置いてきぼりにさせてしまう可能性があります。
ラポールは、目的ではなく手段のひとつです。お客さまに心地よい空間をプレゼントするためのヒントとして、活用してみてくださいね。
まとめ:ラポールを意識したスピリチュアル活動を進めよう
セラピストがクライアントと信頼関係を築くには、相手を尊重し受け止める姿勢が大切です。そのヒントとして、ラポール形成のテクニックを意識してみてください。
また、ラポール形成はビジネスシーンだけでなく、日常生活にも応用できます。
「あの人と仲良くなりたいな」「人間関係をうまく築いていきたいな」という方は、ぜひ試してみてくださいね。
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